令和5年1月10日(火)より建設業許可や経営事項審査の電子申請の受付を開始します。

ひとりで建設業をする場合、管理責任者はどうする?

建設業の許可の取得要件である経営業務の管理責任者になるには 建設業許可

建設業の許可取得要件の1つである経営能力があるとは?

 建設業許可の業種区分には29種類もの業種があり、その業種ごとに許可をとらなければなりません。

すべては記載しませんが、例えば塗装工事や板金工事、解体工事、電気通信工事など「建設」といっても建物に関する工事ほとんど全てということになります。

さらに29業種のうち土木一式工事・建築一式工事という2種類の区分があります。

一式工事とは何でも請け負えるということではない

建設業の規模が大きくなればなるほど、たくさんの業者が関係することになります。そうすると総合的にマネージメントしていかなければならないため、全部ひっくるめて一式工事といいます。工事完了まで企画・計画・調整などがあたるかと思います。

その一式工事には2種類あり、トンネルやダムの建設のように土木工作物を建設する土木一式工事と、ビルや商業施設の新築工事のように建築物を建設する建築一式工事があります。

しかしそれだけ大きい工事となると関わる業者も多く、施工も複雑になってくるため一式工事の概念は許可行政庁により判断が異なるため確認が必要です。

つまり、土木一式工事・建築一式工事とその他の27業種は全く別の許可業種であるため「一式」といっても何でもできる許可ではないということですね。

建設業許可の要件って?一人で会社を設立してすぐ許可はとれる?

 建設業法において、建設業許可をとるためには次の4つの要件をすべてクリアしなくてはなりません。

  • 経営能力があること(管理責任者がいなければならない)
  • 技術力があること(各営業所ごとに専任の技術者がいる)
  • 誠実であること(請負契約に関して不正又は不誠実な行為をする恐れが無い)
  • 財産的基礎又は金銭的信用があること(請負契約を履行するに足りる財産的基礎等がある)

そして建設業法には先ほどの取得要件とは逆に、欠格要件ならぬ許可をとることができない要件も規定されております。

なお、言うまでもなく許可をとっても上記の四つのいずれかが欠けてしまうと建設業許可取り消しとなります。

建設業の許可の取得要件の1つである専任技術者の要件についてはこちらのブログ

経営するにあたって管理責任者の要件とは?

建設業許可の要件のうち、「経営能力がある」とは管理責任者がいる、という要件なのですが経営業務について一定期間の経験を有した者が一人必要であるという要件です。

「経営業務の管理責任者としての経験」とは、営業取引上対外的に責任ある地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理した経験をいいます。

対外的に責任ある地位とは、法人の常勤の役員等・個人の事業主または支配人、その建設業を営業をする支店または営業所等の長などが該当します。

もし脱サラして、一人で建設会社を設立して一年目ですと、経営業務の管理責任者としての経験が無い状態ということですので一人では建設業許可をとることはできません。

しかし、経営業務の管理責任者として経験を有する方を役員等として迎え入れれば、「経営の能力があること」の要件を満たすことになります。

もう少し具体的に・・・

①建設業に関し5年以上取締役、執行役、組合理事としての経験がある者が在籍しているかどうかです。

29種ある建設工事のうちどの種類でもいいので5年以上の経営経験がある方が自社の役員にいれば、経営体制として要件を満たしているということになります。

②建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位(執行役員等)にあり、経営業務を管理する経験を有する者

①はイメージとして「取締役」ですが、②はそれだけに限らず取締役会から建設の業務執行権限を委任されていた役員もOKとし、この経験を持った方が自社の役員にいれば要件を満たしているということになります。

つまり「執行役員」等ということになり、権限移譲を受けた者ですので比較的規模の大きい会社で経験を積んだというイメージができます。